箭弓稲荷神社の彫刻

江戸時代に公儀彫刻師軍団が手掛けた荘厳で臨場感に満ちた白木彫刻を観光ガイドが、分かりやすくご説明します。


拝殿 彫刻

平安を表す瑞鳥<鳳凰> "鳳"は雄、"凰"は雌
平安を表す瑞鳥<鳳凰> "鳳"は雄、"凰"は雌

拝殿正面に定置された"目貫の龍"。
元来、"目貫"とは刀装具で最も目につく箇所のところをいいます。刀の身が柄(つか)から抜けないように柄と茎(なかご)の穴を差し留める目釘を覆う金具のことをいいます。

三条小鍛冶 (小狐丸)
三条小鍛冶 (小狐丸)

木鼻彫刻

神獣・貘(バク)は、悪夢や刀/槍先などの金属を食する...このことから、争いのない平安な世を願望しています。

蟇股彫刻

蟇股彫刻・木菟(みみずく)
蟇股彫刻・木菟(みみずく)
拝殿・蟇股彫刻に木菟の彫刻がほどこされています。木菟は夜間における守神鳥で、学問の神として信仰されています。このため、多くの神社で見かける彫刻です。

尾垂(おだれ)とは、元々軒先部分で垂木の先端を隠すために取り付けられる板を指します。鼻隠しとほぼ同じもののようです。

本殿脇障子(獅子の子落とし)

獅子は子供を産んで3日経過すると、その子を千仞(せんじん)の谷に蹴落けおとし、這い上はって生き残った子どもだけを育てるという言い伝えが残っています。この故事から、我が子に試練を与え、その才能を試すこと。また厳しく育てることを意味します。

本殿 腰組彫刻

腰組彫刻:水犀(ミズサイ)=火災から社殿を護る神獣です。
本殿腰組彫刻(山椒魚/海馬/亀/鯉等)は、社殿を火災から護る願いを込めて施されたものです。
龍には、いろいろなレベルの種類(7〜8種類)があります。
1.蚊龍(こうりゅう):鱗のある龍  
2.応龍(おうりゅう):翼のある龍
3.蚪龍(きゅうりゅう):角のある龍
4.あま龍:角のない龍
5.蟠龍(ばんりゅう):
  天に昇ったことがない龍
6.蜻龍(せいりゅう):水を好む龍
7.火龍(かりゅう):火を好む龍
8.龍(せきりゅう):
  鳴くことが得意な龍

司馬温公・甕割り図 (元宮)

司馬光・甕割りの図
司馬光・甕割りの図
中国・北宋時代(平安時代)、司馬光の幼少期のことです.....父が大切にしていた高価な水瓶の周りで遊んでいた友達の一人が、誤って水瓶に落ちてしまいました。 それを察知した司馬光は、噯気もなく傍らにあった石を掴むや水瓶めがけて投げつけました。
すると、水瓶は割れて水と共に友達が流れ出て、一命をとりとめました。  高価な水瓶なので、父に委細を話したところ、叱責されず、むしろ褒められたとのことです。
つまり、"人の命は何物にも代えられない" という教訓です。